「AIを使うことが目的になってはいけない」―と思ってましたが、それもありですね。

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最近、「生成AIを業務でどう活用するか」が多くの現場で話題になっていルと思います。私自身もAIを教える立場ではありますが、「AIを使うこと自体が目的化しては本末転倒だ」と考えていました。

ですが、そんな考えにひとつの転機を与えてくれたのが、メルカリのエンジニアリングブログで紹介されていた「PCP LLM Week」という取り組みです。

コーディング禁止令!? LLM強制活用イベント

メルカリのPayment & Customer Platform(PCP)チームでは、なんと1週間、開発者全員に「手でコードを書くことを禁止」し、すべての業務をAIツール(Cursor)で実施するイベントを行いました。この「PCP LLM Week」は、ただツールを紹介する研修や資料共有とは異なり、現場で使いながら、強制的に“AIとの共存”を体験させることが目的です。普段の開発スタイルをいったんリセットして、あえて“没入型”のAI活用に集中させる設計が印象的でした。

実際に効果が出ている

イベントの成果としても、「初心者が中級者以上にスキルアップ」「92%が満足、96%が継続利用希望」など、明らかな効果が見えています。単なる“雰囲気づくり”ではなく、実務と結びついた変化が起きている点が非常に参考になります。

また、AIの強みだけでなく、「複雑なレポジトリではノイズが多くなる」などの限界を正しく理解する契機にもなっており、盲目的なAI推進にはなっていないことにも好感が持てます。

強制だからこそ見える世界もある

正直、最初に「手でコードを書くのをやめさせる」と聞いたときはやりすぎにも思いました。しかし今では、こうした強制的な体験によってしか得られない“気づき”が確かに存在することを認めざるを得ません。とのこと。

“AIを使うことが目的になってはいけない”というのは、確かに正論です。でもその一方で、「AIを使わなければ気づけないことがある」のもまた事実。

身近な例で、おもしろかったのが「掃除当番」。
チーム内のタスク割り振りやシフト管理など、
・公平性・効率性・制約条件の充足を満たす「最適解」をAIが即座に提示。マネジメントの判断負荷を大幅に軽減できることに気づいていただけました。

1週間だけ、徹底的にAIに頼る。そんな非日常の中でこそ、“AIが当たり前になる未来”の感覚をつかめるのかもしれません。そこで“AIとの対話の型”を学ぶ。
最初は真似でもいい。正しい型を繰り返していくうちに、自然と信頼されるアウトプットができるようになる。AIも、仕事の道具である以上、“型”がものをいうでしょう。

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