AI研修でぶつかりやすい前提がある。
それは 「AIで時短できる=みんなが得する」 とは限らない、という点。
残業代が生活の一部になっている人にとって、残業は“悪習”というより 収入の構成要素。
その状態で「AIで早く終わりますよ」は、こう聞こえる。
- 早く終わる= 稼げなくなるかもしれない
さらに、早く終わるほど仕事が増えたり、周囲との摩擦が起きたりする不安もある。
実際「AIが使えることを職場では内緒にしている」という人もいる。
つまり AIが“時短”として見えた瞬間に、本人の損得がマイナスに傾く場面がある。
ここで悩むのが、経営者側の不満。
「時短を言わない研修って、結局なにが成果なの?」となりやすい。なので解き方はこう。
入口(現場)=卵:抵抗を下げて触れる状態を作る
出口(経営)=にわとり:品質・運用・数字で回収する
ポイントは「面白いで入って、経営メリットで終わる」。

① 入口:まずは「AIって面白い」
最初から生産性で詰めない。
拒否反応を下げる体験を先に置く。
- ちょっと試したくなる
- 触ると意外とできる
- 自分の仕事に使えそうと思える
これで「時短=損」の構図をいったん外す。
② 中盤:時短ではなく「品質」に寄せる
残業層に刺さりやすく、経営にも説明しやすいのはここ。
- ミス削減
- 伝わる文章(報告・メール)
- 手戻り減
- チェックリスト化・標準化
時短より先に、事故を減らす/やり直しを減らすへ。
③ 出口:制度改革じゃなく「運用ルール」を先に置く
制度は重いので、まず運用で勝つ。
- 短縮分を「仕事増」にせず、改善・標準化・育成に充てると定義
- 使う人が損しない前提を作る(内緒問題が減る)
卵(現場の体験)→雛(小さな成果)→にわとり(制度・評価) の順が現実的。
短期には「時短=残業代が減るかも」という不安がある。これは事実。
でも長期には、AIが当たり前になるほど、使わない姿勢のままだと取り残されやすい。
だから研修は、最初から「時短」で押し切るより、
「関心」と「試行」を起点にして、最後は“経営の安心と成果”へ着地させるのがいちばん揉めにくい。



