AP2とは?
AIがユーザーの代わりに買い物しても、勝手買いを防ぎ、後から説明できるようにするオープン標準。取引の各段階で**署名付きデータ(Mandate)**を交わし、誰が・いつ・何を・いくらでを検証可能にします。※Googleが2025/09/16に公開。
- AIが購入を実行する時の共通ルールとして注目。
- トレーサブル(追跡可能)な証跡を残せる設計が評価。
- **Mastercardの「Agent Pay」**など、実装の動きが具体化(米国から段階展開の計画)。
Intent Mandate(事前ルール)
AIが動いてよい線引きを、あらかじめ署名して固定します。
- 例:JAL/ANA限定/総額6万円まで/発売後2時間以内
- 含める主な項目:価格上限、時間窓(有効期限)、対象カテゴリ/ブランド/相手先、支払い手段の範囲
- 効能:条件外の決済は不可、後から監査が可能
Cart Mandate(最終確定)
具体的な商品・金額・配送情報が決まった段階で最終署名します。
- ここまで到達して初めて決済へ進行
- Intent(事前ルール)→ Cart(最終確定)の二段構えで安全性と透明性を担保
具体例(購入フローのイメージ)
「明日10〜13時発売の東京→那覇 直行便。総額6万円まで。JAL/ANA限定。条件に合えば自動購入。」
- 事前にIntent Mandateで上記条件を署名して固定
- 発売後、AIが条件に合う便を見つける
- Cart Mandateで便・金額を最終署名し、決済へ
→ 取引内容は署名付きログとして保存され、後から合意の事実を示せます
参加企業(発表時点の概要)
- 60社超が名乗り(ネットワーク、PSP、ウォレット、商流など)
- 名指し例:Mastercard/American Express/JCB/PayPal/Adyen ほか
- Mastercard「Agent Pay」:米国でホリデーシーズンまでに全会員有効化の計画(のちに拡大見込み)

ざっくり安全運転のイメージ:
- AIの自由度:✕完全お任せ → ○“条件付き自動”(条件外はブレーキ)
- 承認の粒度:
- 事前ルール=Intent Mandate(自動化の線引きを署名で固定)
- 最終確定=Cart Mandate(実際の商品・金額に署名)
- 透明性:誰が/いつ/何を/いくらで、が署名つきログで必ず残る
- 責任の所在:条件を出したのはユーザー、実行はAI。ただし条件外は実行されないため、勝手買いは起きにくい



