Googleの「ゼロクリック現象」と生成AI─検索の時代は変わる?

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2024年以降、Google検索を巡る「ゼロクリック現象」や、ChatGPT・Geminiなど生成AIの普及が、業界の大きな関心事となっています。

実際、調査会社Sparktoroの最新分析(2023年12月)によれば、Google検索の約65%が“ゼロクリック”――検索結果画面で直接答えを得て、外部サイトへは遷移しないユーザー行動が常態化しています

この背景には、AIチャットの急成長があります。2025年5月時点で、OpenAIのChatGPTは日間アクティブユーザー数(DAU)が1億2,000万〜1億6,000万週次では8億〜10億人が利用しています(DataStudios調査)[※2]。GoogleのGeminiも、月間アクティブユーザー(MAU)は4億人を突破し、日間ユーザー数も4,000万を超えています(aboutchromebooks.com)[※3]。ちなみに日本国内でも、2024年末の調査で約1,800万人が生成AIサービスを「業務・学習・日常生活」で利用したとされています(ICT総研調べ)[※4]。

■「検索の価値」の重心がシフト

これまでユーザーは、「どんな情報にたどり着くか」を重視していました。しかし今や、「いかに速く、分かりやすく答えが得られるか」へと期待が大きく移りつつあります。たとえば「ChatGPTに直接レシピを聞く」「Geminiで英訳を一発で済ませる」といった利用が日常化しており、従来の検索結果ページを見比べる必要すらなくなっています。

■広告モデルの転換点

Googleの検索連動型広告は、2023年時点で**年間約3,200億ドル(約46兆円)**を稼ぎ出していますが、ゼロクリックやAIチャットの普及により今後の成長には陰りが見え始めています。実際、米国の広告代理店協会は「クリック数は前年比2割減、AI経由の間接検索が増加傾向」と報告されてます

もちろん、Googleがすぐに終わるわけではありません。AI分野への年間5,000億円超の投資、YouTubeやAndroidなど多角的なエコシステムは健在です。ただし、「検索=Google一強」という図式は転換点を迎えており、プラットフォーム神話に安住できる時代ではなくなっています。

■現場の“土壌づくり”が問われる

こうした構造変化は、現場の行動や価値観にも大きな影響を及ぼします。短期的な広告効率よりも、長期的なブランド価値やコミュニティづくり、人材育成の重要性が増しています。たとえば、一度の広告キャンペーンよりも、ファンと共創するプロジェクトの継続が重視されつつあります。

「今後は“情報を探す力”以上に、“情報を生かし、物語を作る力”が求められる」。「AIは脅威ではなく、正しく使えば最大のパートナーになる」との見方も広がっています。

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