年配の経営者の方と話すと皆さんインターネット黎明期と同じ“分岐点”が、AIでも訪れていると感じています。
インターネット黎明期の教訓
1990年代後半から2000年代前半、インターネットが広がり始めた頃。
- 「FAXで十分だ」「ホームページは誰も見ない」と言っていた企業は、数年後に取り残された。
- 一方で、早くからウェブ担当者を置き、社長が自ら方向性を理解した企業は、その後のビジネスを大きく伸ばした。
当時、経営者が「インターネットを戦略に組み込む」ことを理解し、社内にウェブ専任くんを育てられたかどうかが、生き残りの分岐点になった。
今のAIは、まさに同じ局面
AIは「コスト削減の便利ツール」ではなく、「企業の存続に関わるインフラ」になりつつある。
DeNA AI本部長の言葉を借りれば、「AIをやらないと会社を潰してしまう」ほどのスピード感で変化が進んでいる。
大企業は資金と人材があるから、多少遅れても巻き返しが効く。
しかし中小企業は一度取り残されれば、もう追いつけない。だからこそ「いま動くかどうか」が本当に大きい。
1. 社長AI道場の必要性
経営者がAIを理解していなければ、
- 投資判断ができない
- 現場が成果を出しても、戦略に組み込めない
- 「なんとなく便利」レベルで終わってしまう
AIス道場で学ぶべきは、技術の細部ではなく、
- どこにAIを投資すれば利益につながるのか
- どうリスクを管理するのか
- どこまでをAIに任せ、どこを人が担うのか
この意思決定フレームを社長自身が理解すること。
2. 会社のAI専任くんを育てる
現場でAIを日常業務に落とし込むには、必ず「専任くん」が必要になる。
- 社内にAIの動きを翻訳して伝える人
- 現場の課題をAIに結びつける人
- 新しいツールを実際に触り、失敗も含めて学び続ける人
この専任くんがいなければ、AIは「研修で聞いたけど実務では使わない」まま終わる。インターネット黎明期におけるウェブ担当者と同じで、**会社にAIを根付かせる“ハブ”**の役割を果たす。
AIは“余計なコスト”ではなく“生存コスト”
インターネット黎明期を生き残った企業は、いまも元気に事業を続けている。
同じように、AI黎明期をどう過ごすかで、5年後10年後の姿は大きく変わる。
- 社長が学ぶ「AI道場」
- 社内に根を張る「AI専任くん」
中小企業にとって、将来の売上や利益以前に、生き残るための必須投資である。
