Deep Researchでの調査の基本的限界

ブログ
調査が届かないもの(できないもの)

モデルや周辺ツールの能力・技術・アクセスの限界で、原理的または実装的に到達不可能な領域があります。

  • 非公開・未デジタル:社内資料、未発表データ、店頭ポップなど紙だけの情報。
  • 壁の向こう側:ログイン/有料壁/CAPTCHAの先、閉域ネットワーク上のデータ。
  • リアルタイム性の限界:現在進行の在庫・価格・私設コミュニティの発言など、最新かつ閉じたフロー。
  • 内心・将来:未発表の計画、交渉中の条件、個人の意思決定や記憶。
  • 一次データ不足で逆算不能:企業の真の原価、広告の純増貢献など、公開値からは特定不能な指標。
  • 言語資源・表記揺れ:低リソース言語、方言、当て字や誤記で索引語が定まらないもの。
  • 形式・メディアの制約:OCRされていないスキャン画像、音声のみ配信などテキスト化されていない素材。
  • 長期的文脈の不在:継続案件の細かな経緯や、個別プロジェクトの内部履歴。

要するに、「そこにデータがない/届かない/構造化されていない」ため、モデルの推論エンジンに燃料が供給されないゾーンです。

調査できるがしないもの(できるけどしないもの)

法令・規約・倫理に基づく“抑制”です。技術的には可能でも、ポリシーでブレーキを踏みます。

  • 個人情報・機微情報:特定個人の特定・追跡、医療・未成年情報の扱い。
  • 違法行為の助長:侵入・不正アクセス、詐欺、危険物の製造手順など具体的ハウツー。
  • 著作権・ライセンス:保護コンテンツの丸写しや非許諾配布。
  • ハラスメント・憎悪表現・暴力:差別・迫害の扇動、自己/他害の助長。
  • 高リスク助言の無制限化:医療・法律・投資の断定的指示(資格・根拠提示なしの個別判断)。
  • サイト規約の尊重:robots.txtやToSで禁止されたクロール・スクレイピングの回避。
  • 選挙・世論誘導の高感度領域:特定候補の投票行動を直接的に促す工作的コンテンツの生成。

こちらは「できるけどしない」ライン。信頼・安全(Trust & Safety)の設計思想による制限です。

境界で揉めやすいグレーゾーン(判断のコツや技術的コツ、プロンプトのコツで左右)
  • 公開だが再同定リスクあり:名寄せで個人特定に至る恐れ→集計レベルや加工統計で回答。
  • 引用と複製の線引き:短い引用+出典明記にとどめ、要約で提供。
  • 医療・法務の一般情報 vs 個別助言:一般的な情報は可、個別診断・指示は不可。
  • 学術説明 vs 危険手順:理論の概説は可、具体的な製造・攻撃手順は不可。
  • スクレイピング:技術的には可能でも、規約・法域によっては不可→公的APIや許諾ルートを優先。
ちなみに
  • “国家の機密情報”という意味なら、NSA が世界最大級。通信傍受(SIGINT)を基盤に、同盟(ファイブアイズ)経由の共有も含めた“量”と“網羅性”で群を抜く。
  • 人的情報(HUMINT)の濃さでは CIA(米)や MSS(中国国家安全省)も強力。
  • 画像・地理空間(IMINT/GEOINT)の集積NGA/NRO(米)などが最大級。
  • 国家横断の“総量”で見れば、米国インテリジェンス・コミュニティ(IC)全体(17機関)が最上位の“集合体”。
  • 個人データの“量”という別軸なら、国家ではなく巨大プラットフォーム企業(検索・SNS・モバイルOS・広告網)が最大。ただしこれは機密ではなく商用・個人データ。
岡山のホームページ作成