大学時代、一番力を注いだアルバイトは家庭教師でした。50人以上の生徒を担当する中で、特に心に残っているのは自閉症のお子さんとの勉強です。
その子は、これまで何人もの家庭教師に心を開かず、会話さえしなかったといいます。ところが、私には少しずつ話をしてくれるようになり、「勉強をやってみる」と言ってくれました。
ただ、勉強経験がほとんどなく、理解にも時間がかかり、集中力も続きません。どうしたら最短距離で難しいことをわかりやすく伝えられるか、常に工夫し続けました。
1年後、見事に大学に合格したとき、ご家族からは予想を超える感謝の言葉をいただきました。

この経験を通じて学んだのは、「人によって異なる理解の仕方や心の壁を尊重し、それに合わせて伝え方を工夫すること」の大切さです。現在の研修の仕事でも、その姿勢を大切にし、一人ひとりに合った学びと成長の支援を心がけています。



