Unlimited OCR:長文処理の問題を解決するために公開された新しいオープンソースモデル

AI活用メモ

Baiduが公開したUnlimited OCRは、総パラメータ約3B、推論時約500M活性のMoEモデルです。DeepSeek-OCRを基礎とし、デコーダーのAttentionをR-SWAに置き換えることで、生成側のKVキャッシュを固定幅に抑えています。論文では、32Kの最大出力長の範囲で数十ページを一度に処理できるとしています。

ベンチマーク:開発元の論文では、OmniDocBench v1.5で93.23、v1.6で93.92を報告し、掲載されたエンドツーエンド型モデルの中で最高水準となっています。ただし、これは主として開発元による評価です。独立した再現例では92.45となり、本文認識スコアに差が報告されているため、93.92という数値の完全な再現性は引き続き確認が必要です。

実用性:RedditやHacker Newsにはローカル動作やVRAM効率に関する使用報告がありますが、多くは小規模な体験談や論文の紹介であり、数十ページ処理を広範に再現した独立評価ではありません。MacのMPS環境で複数ページ処理中に品質が低下した報告や、反復・幻覚の問題もあります。現段階では、対応するNVIDIA GPU環境で試す価値のある有望なローカルOCRモデルですが、クラウドOCRを全面的に置き換えられるとまでは断定できません。

セキュリティ:モデル重量はSafetensors形式で、コードはMITライセンスで公開されています。現時点でGitHub上に公開済みの重大なSecurity Advisoryは確認できません。ただし、公式利用方法では trust_remote_code=True により配布元のカスタムPythonコードを実行します。そのため、モデルとコードのバージョン固定、コード確認、コンテナまたは専用環境での実行、機密文書を扱う場合の外部通信遮断が推奨されます。「中国企業製であること」そのものではなく、外部コードと依存パッケージを実行するサプライチェーン上の性質を理由に対策するのが適切です。

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