名前の由来に「君」が入ってるらしい。

Kimi(Web版)は、Moonshot AIが提供するブラウザ型のAIサービスです。専用アプリをインストールしなくても、Kimi公式サイトへアクセスしてアカウントにログインすれば利用できます。2026年7月に公開されたKimi K3もWeb版から利用でき、通常の質問応答だけでなく、調査、資料作成、データ分析、Webサイト制作などをブラウザ上で実行できます。

一般的なチャットAIとの違い
Kimi(Web版)の大きな特徴は、単に文章で回答するだけでなく、依頼された仕事を完了させるために、自ら作業手順を考えて複数のツールを使う「AIエージェント」として動作する点です。
例えば、
- 情報をWebで検索する
- 複数の資料を読み込む
- 必要な情報を整理する
- 表やグラフを作る
- スライドや文書にまとめる
- Webサイトのコードを生成する
- 生成物を確認して修正する
といった一連の工程を、Kimi側が計画して進めます。公式説明では、Kimi Agentは20種類以上のツールを使い、Webサイト、文書、表計算、データ分析などを一つの依頼から完了できるとされています。
つまり、ChatGPTの通常チャットのように「質問に答えてもらう」だけではなく、調査担当者、資料作成担当者、デザイナー、コーダーなどの作業をまとめて依頼する感覚に近いサービスです。
基本的な使い方
ログイン後、画面下部の入力欄へ、実行してほしい内容を自然な文章で入力します。
例えばWebサイトを作りたい場合は、次のように依頼できます。
「岡山県内の中小企業向けに、AI業務改善サービスを紹介する縦長のランディングページを作成してください。白を基調としたモノトーンデザインで、サービス内容、導入事例、料金、よくある質問、問い合わせ導線を入れてください」
Kimiは依頼内容を分析し、構成案、文章、デザイン、画像配置、HTML・CSSなどを生成します。完成後も、「文字を小さくする」「余白を広げる」「問い合わせ部分を目立たせる」といった指示を追加し、会話形式で修正できます。
Kimi Websitesでは、文章による指示だけでなく、デザイン画像、スクリーンショット、画面録画などを読み取り、それを参考にしたWebページを生成できます。作成したサイトはブラウザ上で確認し、修正履歴を比較しながら編集し、共有用リンクとして公開することもできます。
ファイルを読み込ませて作業できる
Web版では、PDF、Word、Excel、PowerPoint、画像、テキスト、動画などをアップロードして処理できます。公式案内では、1ファイル最大100MB、1回のセッションで最大50ファイルまで扱えるとされています。
スライド資料の作成
Kimi Slidesでは、テーマを1文入力するか、文章や既存ファイルをアップロードするだけで、構成、文章、レイアウト、図表を含むスライド資料を生成できます。
PDF、Word、PowerPoint、Excel、テキスト、画像などを資料として読み込ませることができ、アップロードしたテンプレートや参考画像に近いデザインで作成する機能もあります。生成後は、文字、色、レイアウトなどをブラウザ上で編集できます。
ただし、AIが生成した数字、引用、グラフ、参考資料が必ず正しいとは限らないため、社外へ提出する資料では、人が内容と出典を確認する必要があります。
Deep Research
Kimi(Web版)には、複数のWebページや資料を調査し、出典付きのレポートを作成するDeep Research機能があります。
単に検索結果を並べるのではなく、調査テーマを分解し、複数の情報源を比較しながら、文章、表、グラフを含む調査報告書としてまとめます。市場調査、競合調査、製品比較、技術調査、業界動向の整理などに向いています。
Kimi K3の利用
Kimi K3は、Web版のチャット、Agent、Agent Swarmなどを動かす中核モデルとして利用されています。2.8兆パラメータ、最大100万トークンのコンテキスト、画像理解機能を備え、長い文書、大規模なコード、画像を含む作業をまとめて処理することを想定しています。
動画では「推論レベルを選択できる」と説明されていますが、K3の公開直後は最大推論レベルである「max」が標準設定で、低・高などの別レベルは後日の提供予定と公式に説明されています。したがって、2026年7月18日時点では、推論レベルを自由に切り替えられるという説明は正確ではありません。
Agent Swarm
有料プランでは、複雑な依頼を複数のAIエージェントへ分担させる「Agent Swarm」を利用できます。
例えば競合調査を依頼した場合、
- 企業情報を調べるエージェント
- 料金を調べるエージェント
- 製品の特徴を調べるエージェント
- 評判を調べるエージェント
- 最終レポートをまとめるエージェント
というように、複数のサブエージェントが並行して作業します。大量のWeb調査、複数企業の比較、長文レポート、複数ファイルの一括処理などに適しています。Agent Swarmはベータ版で、無料プランでは利用できません。
無料版と有料版
Kimiには、無料プランの「Adagio」と、4種類の有料プランがあります。2026年7月18日時点の月額料金は次のとおりです。
- Adagio:無料
- Moderato:月額19ドル
- Allegretto:月額39ドル
- Allegro:月額99ドル
- Vivace:月額199ドル
無料プランでも通常のチャットやKimi Agentを試せますが、Agentの利用目安は月6タスク相当で、同時実行は1件です。Agent SwarmとKimi Codeは利用できません。
有料プランでは、Agentの利用量、処理速度、同時実行数、Agent Swarmの使用回数などが増えます。ModeratoではAgentが月60タスク相当、Agent Swarmが月25回、AllegrettoではAgentが月150タスク相当、Agent Swarmが月50回という目安です。実際の消費量は、処理する文章量やタスクの複雑さによって変わります。
Web版の制限
Kimi(Web版)は、ブラウザ上へアップロードしたファイルは扱えますが、パソコン内のフォルダーを自由に巡回したり、ローカルファイルを直接編集したりする用途には向いていません。ローカルフォルダーやパソコン上の開発環境を扱う場合は、Kimi WorkまたはKimi Codeを使用します。
また、非常に大きな依頼を一度に任せると、途中で構成が崩れたり、一部の条件が抜けたりする場合があります。公式ヘルプでも、大規模な仕事は2~3段階に分割して依頼するか、Agent Swarmを利用することが推奨されています。
例えばWebサイト制作なら、
- サイト構成と文章を作る
- デザインと画像を作る
- HTML・CSSを生成して動作確認する
という順番で依頼した方が、完成度を高めやすくなります。
Kimi(Web版)の位置づけ
Kimi(Web版)は、気軽に質問するためのチャットサービスというより、ブラウザ上で調査、資料作成、表計算、スライド、Webサイト制作まで行える統合型のAI作業環境です。
特に、ソフトをインストールせずに、
- 長い資料を整理する
- 複数の情報源を調査する
- 営業資料や企画書を作る
- Excelやグラフを作る
- WebサイトやLPを試作する
といった作業をまとめて行いたい場合に向いています。
一方で、パソコン内の実際の制作フォルダーを操作する本格的なWeb制作やアプリ開発では、Web版だけで完結させるより、Kimi WorkやKimi Codeと使い分ける方が実用的のようです。



