「AIが人間の仕事をうばう」という話を、テレビやインターネットでよく見かけます。 でも、本当にそうなのでしょうか。
答えは「はい」でも「いいえ」でもありません。 実は、少しずつ変わっていくというのが、基本的ないちばん正しい答えだと思います。
今日見た、道路のわきで車の数を数える「交通量調査」というアルバイトをみてAIとやさしく考えました。

できることと、やった方が得なことは違う
カメラとコンピューターを使えば、車の数を自動で数えることは、今の技術でもうできます。でも、実際にはまだ、人間が立って数えていることが多いのです。なぜでしょうか。理由はかんたんです。カメラを設置したり、機械の準備をしたりするには、お金と時間がかかります。それに対して、人間なら「明日からお願いします」で、すぐに仕事を始められます。つまり、「できるかどうか」と「やった方が得かどうか」は、別の話なのです。これは町の小さな食堂で、ロボットではなくアルバイトの店員さんが働いているのと同じ理由です。
人の心や社会のルールも、大事な理由
もう一つの理由があります。
たとえば病院で、AIが病気を見つけてくれたとします。とても正確だとしても、「もし間違えたら、だれが責任をとるの?」という問題が残ります。
契約書をAIが完璧に作ってくれても、「なんだか不安だから、最後は人に見てもらいたい」と思う人も多いでしょう。
このように、技術がどんなに進んでも、人の気持ちや、社会の決まりが追いつくまでは、人間の出番がなくならない場合があります。
AIが得意なのは「ふつう」、苦手なのは「まさか」
AIは、いつもと同じことをくり返す作業がとても得意です。晴れた日に、まっすぐな道を走る車を数えるくらいなら、簡単にできます。
けれども、雨で見えにくかったり、トラックのかげにバイクがかくれていたりすると、とたんに間違えやすくなります。
自動運転の車も、高速道路はAIにまかせて、細い路地は人間が運転する、という形を目指しています。交通量調査も同じで、「いつもの9割」はAIに、「むずかしい1割」は人間に、という分け方になっていきそうです。
まとめ ―― 仕事は「うばわれる」のではなく「変わっていく」
ここまでの話をまとめると、こうなります。
- お金や準備の都合で、人間の方が得な仕事はまだ残る
- 責任や安心感が必要な仕事は、人間が必要とされ続ける
- 「ふつうの作業」はAIが引き受け、「むずかしい判断」は人間の役目になる
つまり、ある日とつぜん仕事がなくなるのではなく、少しずつ、仕事の中身が変わっていくのです。
これは交通量調査だけの話ではありません。事務の仕事も、絵をかく仕事も、車を運転する仕事も、これから同じような変化をしていくはずです。
「AIに仕事をうばわれるかどうか」ではなく、「自分の仕事の、どの部分をAIにまかせて、どの部分を自分がやるべきか」を考えることだと思います。



