2026年6月、OpenAIが発表した「Codex Sites」が訪問先で話題になっている。
チャットで指示するだけでWebサイトや簡単なアプリを作り、そのままネット上に公開できる。SNSでも多くの人が反応し、「これはすごい」「一気に変わる」といった声が目立っていた。
ただ、昔からWeb制作やサーバーに触れてきた立場から見ると、最初は少し不思議な感じもあった。
HTMLやCSSのファイルをサーバーにアップロードするだけなら、以前からFTPで普通にできる。一度FTP接続を設定してしまえば、あとはファイルを置くだけである。そこまで難しい作業ではない。
むしろ、最近よく使われるGitHub連携の方が、初心者には分かりにくい部分がある。
リポジトリを作り、コミットし、ブランチを理解し、デプロイ先と連携する。個人的には、FTPよりもよほど難しく感じる。
そう考えると、Codex Sitesができること自体は、まったく新しい魔法というわけではない。
おそらく大きいのは、公開までの手間がほとんど見えなくなったことだと思う。サーバーを開く。FTPソフトを立ち上げる。接続する。ファイルを選んでアップロードする。公開されたか確認する。経験者には何でもない作業でも、そこにはいくつかの手順がある。
Codex Sitesは、その手順をかなり省いたとは思います。
・チャットで作る。
・そのまま公開する。
・URLが発行される。
技術的に画期的というより、使う人の感覚として「すぐ外に出せる」ことが大きいのだと思うが、簡単に公開できることと、きちんと運営できることは別。
試作品を見せる。アイデアを確認する。社内や仲間内で共有する。そういう用途なら、Codex Sitesのようなものは非常に便利だと思う。早く形にして、早く見せられることには価値がある。
一方で、会社の公式サイトや、問い合わせフォーム、予約、会員管理、ECなど、事業として継続的に使うものは別に考える必要がある。
その場合は、やはり独自ドメインを持ち、レンタルサーバーでもいいので、自分で管理できる形にしておくことは大事だと思う。

AIのツールは便利である。使えるものは使えばいい。
ただ、SNSで騒がれているからといって、そのまま本番の運用に使えると考えるのは早い。逆に、昔からあるFTPでできることだから大したことがない、と切り捨てるのも少し違う。
大事なのは、自分で触って確かめることだと思う。
SNSの「タイムラインの空気」だけを鵜呑みにして、何でもかんでも「大革命だ」と踊らされるのは禁物だ。便利さの裏側には、インフラ構造のブラックボックス化や、ドメインの制約といった現実的なデメリットもしっかり存在している。
大切なのは、ネット上の声やインフルエンサーの興奮にただ惑わされるのではなく、「まずは自分で触って、動かして、調べてみること」。自分の手で体験してみて初めて、「これはプロトタイプを爆速で作るには最高だが、本番運用には向かないな」といった、ツールとしての正確な現在地と本質が見えてくる。
そしてなによりも、個人的感想だとCodexSiteを使うよりCodex単体の方がサイトは作りやすいのである。



